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2024.11.22

外房のショウサイフグ満喫
掛けたときの重量感を堪能

釣行レポート

夏の産卵期を禁漁とし9月に解禁となる外房大原のショウサイフグ。解禁当初は定数に迫る釣れっぷりを見せていたがその後一服、10月に入ってまた釣れ出したと聞き、大原港の敷嶋丸へと釣行した。
この日は土曜日、前日がシケ休みだったこともあってか、船着き場は大賑わい。早着していた大船長に模様を聞くと、「4〜5日前から新しいポイントで、デッカイのが掛かってくるからいいお土産になるよ」と笑顔で教えてくれた。 
そうこうしているうちに船長も到着。テキパキと受付を済ませて4時半過ぎに出船。

スロースタート

まだウネリが残る中、1時間で太東沖の釣り場に到着。
「じゃあやってみましょう。水深は22メートル」と船長からのアナウンスがあり、薄暗い中、釣り開始となる。
1流し目は空振りも、すぐに潮回りした2流し目ではミヨシ寄りを中心に大中小交じりで数尾のフグが上がった。しかしその後は沈黙。エサも取られないようだ。
「昨日出た船が2隻あって、トップ30尾くらい釣ったって言ってたから今日も期待できると思うんだけどなあ。フグは日が高くなってからだからね」とミヨシの突き出しで竿を出していた大船長は言う。
確かに経験上フグもカワハギも朝一は食いが悪いことが多い。そしてその言葉どおり7時半ごろから徐々に魚の気配が上向き出す。
まずはサバフグ、ムシガレイが掛かり、それにつられるようにショウサイフグも顔を出し始める。
型は相変わらず大中小の交じり。大は30センチを優に超えるサイズで、長さ以上に丸まると太っていて重量感がある。小は20センチそこそこだが、ピンポン玉級の放流サイズは皆無だ。

▲当日の釣り場は太東沖の水深20~25メートル前後

朝一に比べれば食いは上向いたとはいえ本調子にはほど遠い。たまにポツ、ポツと単発で上がるくらいだ。そんな中、右舷で歓声が上がる。どうやらトラフグが掛かったようだが残念ながら海面バラシ。
このところトラフグも釣れているから、心の準備とタモの位置の確認は怠らないようにしておきたい。

9時ごろからは私も竿を出す。ミヨシに近い釣り座だったので船の上下が大きく、ゼロテンをキープするのに苦労したが、それでも1尾目は比較的早めにきてくれた。
エサをベタ底に置き、5秒に1回くらいの空合わせを繰り返しているとゼロテン状態でコツコツと手にアタリが伝わり、軽くシャクるとグンと竿先に重みが乗った。追い合わせをしてハリ掛かりを確認したところでリールを巻く。
上がってきたのは25センチ強の中型サイズだった。この後もすぐにアタったが、これはなんとヨリトフグ。中深場釣りでは時折見かけるが、こんな浅場で釣るのは初めてだ。そしてこの後はアタリが途絶え、エサも取られない悶絶タイムにはまり込む。広く探ろうとキャストしたりエサを目立たせようとたくさん付けてみたりしたが全然相手にされなかった。

▲ 1パック500円で販売している

船宿のエサは冷凍エビ

 船宿で購入できるエサはベトナム産の冷凍エビ。しっかりと塩で締めてありエサ持ちがよい。付け方はオキアミと同様の一度刺しでOKだ。特エサ効果を狙ってアルゼンチンアカエビやアオヤギ、ホヤなどを持参する方も多いし、それらを漬け込み調整剤を使って軽く締めたり臭い付けしたりする方もいる。これはこれで釣りの楽しみでもあるが、ちなみにこの日の竿頭氏が使っていたのは船宿の冷凍エビだった。

パターンは宙釣り

そんな中、安定して掛けているのが大船長。ミヨシの突き出しでは船がかなり上下して釣りづらいだろうに。「ベタ底じゃあダメだよ。底を切らないと。あとアタリがあってもなくても空合わせは大事だよ」と周りのお客さんにアドバイスしている。どのくらい底を切っているのか聞きにいくと、
「着底してから糸フケを取り、リールを1回転巻いている」とのこと。空合わせの重要性は理解しているが、根掛かりのない釣り場では、タナはベタ底でエサを海底で動かさないのがコツと思っていた。

船長にもタナについてうかがうと、「底か宙かはその日によるけど、基本はベタ底でいいですよ。ただ糸は張っていないとアタリが出ないのでダメですけどね」との答えだった。
釣り座に戻り、50センチくらい底を切って釣っていると確かにフグの気配を感じる。
掛けることはできないが、エサをかじられていることも何度かあった。
そのうちに空合わせで久びさに釣ったのが30センチ級の良型。両隣の方も底を切って釣り始めてからアタリが出始めたと言うから「今日は宙」と確信する。推測だが2日続いたシケで底荒れして海底付近は濁っていたのかな?と思われる。

▲ハリ掛かりしたら一定の速度で巻き上げる。良型フグの重量感がたまらない

ここからは底を切っての釣り。カワハギ釣りでいうところの「チョイ宙」で釣る。そのためかベタ底の釣りでは滅多に掛からない小サバが何回かハリに掛かったが、フグもポツポツと釣れた。

残り時間もわずかとなりなんとか最後に1尾釣って終わりたいものと集中。コツコツに合わせるとハリ掛かりし、しめしめと上げてみたらサバフグでガッカリ。急いでエサを付け替え再投入。今度は空合わせながらも無事中型サイズで有終の美を飾り、この日の釣りを終了した。
釣果は1〜12尾。右舷ミヨシの常連さんが竿頭。
下船後は免許を持つ船長がフグをキレイにさばいてくれる。それを待ちながら常連さんと「これで明日は爆釣なんてことがよくありますよね」と話していたらまさにそのとおりで、翌日は40センチ級を交えて9〜43尾。
「デカフグがよく釣れました」と聞けば穏やかではいられない。敷嶋丸ではゴールデンウイークごろまでのロングランでフグ釣りが楽しめるが、鍋の季節を待たずに再チャレしたいと目論んでいる。

◀︎ 当日の仕掛け

エサ同様にオモリの色も色いろと試してみたいのが釣り人心理。大船長によれば薄暗い朝一は夜光、濁り潮には白系、澄み潮には赤系で、日中の夜光は今イチというのが大まかな傾向だとか。

船宿infomation

外房大原港

敷嶋丸

TEL: 0470-62-1800

▶︎料金=ショウサイフグ 乗合一人1万円(氷付き)、エサ1パック500円

▶︎備考=予約乗合、4時半集合

※料金や集合・出船時間などは本誌隔週刊つり情報掲載時のものです。釣行の際には確認をお願いします。
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