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2024.11.27

南房の夜キンメシーズンイン
手返しより多点掛けで勝負

釣行レポート

キンメダイは深場釣りの代表的なターゲットだが、沖釣り経験が浅い方の中には「キンメは釣りたいけど、まだハードルが高いなあ」と思っている人もいるだろう。そんな方におすすめなのが南房エリアの夜キンメ。

ポイントまで近く、暗くなって浅場に上がってくるキンメを狙うから水深も150メートル前後と浅いためビキナーでも臆することなくキンメ釣りを楽しめる。
もちろん、電動での釣りとなるが船宿でレンタルもできるので、その点の心配はない。

その夜キンメ釣りが10月から始まったと聞いて10 月11日に乙浜港のしまや丸へ釣友と出かけた。
私がこの釣りを初めて経験したのは30年近く前のこと。そのころは空バリに染めたイカの切り身を付けるスタイルだったが、今はフラッシャーサビキ仕掛けが標準となった。
フラッシャーサビキ仕掛けの利点はエサ付けの手間が省けることと、ハリスの長さが短くオマツリなどのトラブルが少ないこと。短時間の釣りだけになるべくロスタイムを減らすのにこの仕掛けが適しているからだろう。

16時20分になったところで10名で出船。白浜沖のポイントまで30分ほどだが、明るいうちはキンメがあまり食わないのでゆっくり航行して17時過ぎに到着する。

▲釣り場は白浜沖の水深140〜170メートル前後

良型ムツが顔を出す

「反応が出てきたのでやってみましょう。水深は170メートル。130〜140メートルに反応があります」と島野一男船長から開始の合図が出た。続けて、「潮が速そうだから同時投入と一流し1投となりますので上げた人は入れな直さないで」とのアナウンス。
さっそく右舷ミヨシ2番の並木さんと胴の間の田中さんが同時にヒットし、田中さんが1枚、並木さんが3枚釣ったところで潮回り。
船長の話ではまだ明るいうちは小型のキンメの割合が多いとのこと。やはり大きくなるにつれ警戒心が強くなるので、小さいサイズのキンメから順に浅場に上がってくるのかもしれない。

▲キンメ狙いは船長がタナをアナウンスするのでその範囲を探っていく

すさまじかったのは次の流しだった。
「水深140メートル。反応は底に出ています」と再投入の合図があり、着底するやいなや全員にヒット。釣友の塙君も、「きました」と巻き上げようとしていたので「再投入できないのだからもっと付けなきゃダメだよ」と声をかけると、グン、グンと追い食いしたシグナルが伝わり竿が絞り込まれたところで巻き上げ開始。
しかし、左舷トモの松本さんとオマツリのアクシデントに見舞われてしまった。始めに上がった松本さんの仕掛けを解いているとなんと40センチクラスのムツが5尾も付いている。
「今日はこれで十分」と喜ぶ松本さんとは真逆にムツの歯に当たったのだろう塙君は、道糸を切られて丸ごとロスト。天国と地獄とはこのことで、恨めしそうな顔で私を見つめる彼にたくさん掛けろと欲をかかせた責任を感じるのであった。

この流しでは皆さんムツ交じりでキンメをゲット。その後の2流しまではムツとキンメが同時に掛かってきたのだが「ムツタイム」が終わってしまったらしくムツの姿が消えてキンメのみとなった。
その代わりにキンメのサイズがアップしてきて30センチオーバーも交じり始め、18時を過ぎると入れ食いタイムに突入。

▲ トウガラシに含まれてるカプサイシンが酔いを抑える

船酔い対策にカプサイシン

船酔いは辛いもの。とくに夜釣りは視界が狭くなるので平衡感覚が鈍って船酔いする確率が高くなるから酔い止めは早めに飲むこと。
実はカプサイシンが船酔いに効果があるのをご存じだろうか?
青トウガラシを1本食べれば効果てきめん。青トウガラシがなければ激辛せんべいや七味トウガラシをせんべいにまぶしても効くので一度お試しを。

キンメがズラズラ

「6枚掛かっていたぜ」と出遅れた塙君が気を吐けば、皆さん4枚、5枚と多点掛けを達成。中には8枚掛けをする人もいるほどだ。
撮影もひと段落したところで19時に私も釣りに参加。
着底したところでゆっくり仕掛けを上げるとガツガツと明確なアタリ。しばらくそのまま待ち、さらにググッときたところで巻き上げ開始。10メートルほどスローで巻き上げていると再びググッと魚の重さが加わった。
1投目はキンメ5枚と快調な滑り出し。
「よし。この調子でガンガン釣るぞ」と意気込んだものの次の流しではノーヒットで潮回りとなる。あれほど釣れていたのにキンメの反応が消えてしまったらしく、「いつもはこれから本調子になる時間なのになあ」と船長も困惑顔。

その後、何度かの潮回りのあと久しぶりにアタリがきた。ここは多点掛けで数をのばさねばとジワジワと竿を立てたり寝かせたりして追い食いを狙い、重さが増したところで巻き上げ開始。
この手応えなら少なくても5〜6枚は付いているだろう。慎重に巻き上げていると残り40メートルの付近で強烈に竿先がたたかれたかと思った次の瞬間にプッツン。
上げてみると仕掛けがなくなっていた。このころからサメが回遊してきたらしく、時折「やられた」と言った声が聞こえ始める。
そのため次の投入からは巻き上げ速度を速めてポツリポツリと5枚追加したところで、「反応も切れたし。サメもいるので少し早いけど揚がりましょう」と20時15分に沖揚がり。釣果は26〜35センチのキンメが18〜30枚に35〜43センチのムツが0〜8尾と皆さん、十分なお土産となった。

しまや丸では来年1月一杯まで夜キンメ乗合で出船予定なので出かけてみてはいかがだろう。

◀︎ 当日の仕掛け

竿は2 0 0 号オモリ対応のグラスロッドや沖イカ竿が適している。仕掛けはハリ数5~8本のフラッシャーサビキ。短時間の釣りのため、トラブルが発生したら仕掛けを切る場合があるので、予備の仕掛けは多めに用意する。

船宿infomation

南房乙浜港

しまや丸

TEL: 0470-38-2567

▶︎料金=夜キンメ乗合一人1万3500円(エサ、氷付き)

▶︎備考=予約乗合、15 時半集合。キントキ五目、泳がせへも出船

※料金や集合・出船時間などは本誌隔週刊つり情報掲載時のものです。釣行の際には確認をお願いします。
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