サムネイル

JOURNAL
読みもの

  1. TOP
  2. JOURNAL 記事一覧
  3. 餌木タコはみんなで楽しく まだまだ狙える渡りの大型
2025.01.27

餌木タコはみんなで楽しく
まだまだ狙える渡りの大型

釣行レポート

すでにニュースなどでご存じだと思うが、総務省の小売り物価統計調査によると、マダコは今年の10月時点でマグロの価格を上回っている。
最も需要の高まる12月ともなれば、キロあたり5ケタに達するのではないかとの噂も出たほどだ。世に高級食材は多々あれど、すでにマダコは間違いなくその仲間入りを果たしている。
そう考えると釣行にも余裕が生まれる。そんな高級食材なら滅多に行かないマダコ釣りも、多くは望まない。型さえ見られれば十分、あわよくば……の気分で出かけられる。

豪華メンバーの仕立船

釣行したのは茨城県日立久慈漁港の明進丸。この時期は解禁直後のヒラメ、人気上昇中のアマダイなどをメインに狙っているが、12月13日は仕立船でのマダコ狙いだった。
この日はダイワテスターの古株、北本茂照さんの声がけで集まったメンバー10人。本誌でもおなじみのなおちんこと井上直美さん、小野信昭さん、吉岡進さんを始め、ほとんどが名の知れた方ばかり。メーカーの垣根を越えたメンバーの集まりは異例でもあり、ひとえに北本さんの交遊の広さを物語っていた。

各自が好きな釣り座を選ぶルールだったが、皆さん遠慮してなかなか席が決まらない。最年長の私は左舷大ドモの特等席を指定され、5時過ぎに出船。当日は北西の強風で、「沖は無理そうなので、とりあえず近場を狙います」とのことで、30分ほど走った磯崎沖水深15メートル前後で釣り開始となる。
投入してみるとゴツゴツした根があるうえ、水深の変化も激しい。日立方面の釣り場はほとんど根掛かりしないのが通説だが、この場所はまるで東京湾のようでもある。
案の定、早くも根掛かり。ようやく外れたと思ったら何やら重量感。これは間違いないと巻き上げに入ると、やがて海面に船中初のマダコの姿。「やった〜」と叫んだ直後、気を抜いたからかマダコはハリから外れてしまった。

▲日立出船での本命ポイントは那珂川河口沖の水深25メートル前後

いくばくもなく乗りをとらえたのは、隣に座る本誌ライターでもある水野隆史さん。「根岸さんのバラしたタコですよ」とうれしそうに1キロ級を取り込んでいた。
この場所で吉岡さんや小野さんも同サイズを釣り上げ、ようやく上向き気配。そして私に2度目の乗りが訪れた。
明らかに一度目の重さとかけ離れ、電動リールも悲鳴を上げている。海面に姿を現したのは2キロを超える大型。スッポリとタモに収めて、「ノルマ達成〜」のかけ声。乗船者が代わる代わるのぞきにくるほどのサイズだった。

▲ 全長1.5 メートルで使いやすかった

餌木タコに電動直結スルメ竿

この日に持ち込んだ竿はすでに私の釣行テリトリー外となった10 年前の電動直結スルメ用。これが80 号のオモリで小づく茨城のマダコにピッタリだった。グニャグニャした感じがないので小づきやすいし乗りも明確。ただしウネリのある日はご用心。船が持ち上がったとき負荷がかかりすぎて身切れバラシを誘発する。この日掛けた回数は船中最多の6回、うちバラシが3回。多少ドラグを緩めておけばと後悔した。

なおちんが3.5キロの大型

風も収まってきた7時過ぎに本命ポイントの那珂湊沖水深25メートル前後に移動。すでに多くの釣り船が集まっている。平日とはいえたくさんの乗船者は、年末らしいマダコ風景だ。
改めて船中を見渡すと、普段は大物、ルアー、マダイ、タチウオなどで活躍する方たちが、専門外の釣り物に対峙する姿はある種異様である。

翻ってみれば皆さんただの釣り好き人間にすぎず、普段の釣りとなんら変わりない光景。釣れた、バラしたで大げさに一喜一憂し、適度に竿を置いて雑談しあうのも仕立船ならではのよさ。こうした釣りも実に新鮮で、つくづく釣りは楽しいと思えるのだ。
相変わらずウネリは高いもののさすが本命場所、ポツリポツリながらタコが顔を出し始める。圧巻はなおちんの2杯目だった。右舷で聞こえた「うわー、デカイ」の声に駆け寄ってみると、私の1杯目よりひと回り大型。あとで測ったら3.5キロもあったというから想像できよう。これぞ茨城の渡りダコそのものだった。

まだ半数近くが型を見ないなか、この1杯で船中が活気づく。1〜2キロ級を中心に、断続的ではあるが釣れ続く。ただ船長はこの釣れ具合には不満そう。「初めからここでできれば」「ウネリがなければもう少し釣れるんだけど」
それでも11時にはほぼ全員が型を見て、満足しての納竿となった。私の釣果は3杯。一人0〜4杯で平均2〜3杯。最大はなおちんの3.5キロで、ほかはほとんどが1キロオーバーだった。
明進丸では1月末まで希望があればマダコ乗合を出す。高級食材はまだまだ狙えそうである。

◀︎ 当日の仕掛け

明進丸の指定のオモリは60か80号。当日は風が強く、潮の流れも速いので80号を使用。私は3.5号のタコ餌木2個にタコ用スッテ1本をセットした。

船宿infomation

茨城県日立久慈漁港

明進丸

TEL: 090-2276-8806

▶︎料金=マダコ乗合 一人1万1000 円(氷付き)

▶︎備考=予約乗合、5時集合。ヒラメ、マダイ、アマダイへも出船

※料金や集合・出船時間などは本誌隔週刊つり情報掲載時のものです。釣行の際には確認をお願いします。
記事一覧へ戻る