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2025.03.10

東京湾のシロギスは冬も盛況
沖釣り入門にもおすすめ

釣行レポート

東京湾を代表する釣り物の一つがシロギス。シロギス釣りは手軽で難易度もさほど高くないことからビギナーが沖釣りのターゲットとして選ぶ場合が多い。
春〜夏にかけて多くの人が集まるので暖かい時期の釣り物のイメージはあるが、東京湾では一年中釣れ、周年シロギス船の看板を掲げている船宿も多い。1月11日に訪れた東京湾奥金沢八景の荒川屋もそのうちの一軒。荒川屋は東京湾のキス釣りでは老舗的な宿であり、私も駆け出しのころにずいぶんとベテランさんの技を勉強させていただいた。
昔、冬のシロギス釣りは水深30メートル前後の深場を狙うため難易度が上がり、キスフリークが好むマニアックな釣りだったが、現在は水温が上昇し、ポイントの水深も20メートル前後になり、冬でも釣りやすくなった。
寒くなるとキスは海底のくぼみなどに集まる習性がある。船はこのようなポイントを流すので船下狙いでも十分釣れるため、投げるのが苦手なビギナーにもおすすめ。
何よりアカクラゲがいないのはうれしい限りだし、なんと言っても冬場のキスは脂が乗って絶品だ。

▲当日の釣り場は木更津沖の水深20メートル前後

いきなり食い活発

冬のキス釣りは、テンビン仕掛けの場合は派手なアクションや早いサビキ方はNGで、探るようにゆっくりサビいてくるのがセオリー。
胴つき仕掛けで船下を狙うときは、猫をじゃらすように竿先を揺らして仕掛けを動かしたら、少し待って食わせの間を入れる。アタらなければ竿先をゆっくり上げてから落とし込んでいく。
プルッとアタリがきたら竿先を少し送り込み、一呼吸置いてエサを吸い込ませてから合わせを入れるとハリ掛かりしやすくなる。

当日は私を含めた8名で7時半に出船。45分ほどで木更津沖の水深22メートルのポイントに到着。半日船なので実釣は2時間半と短時間勝負だが、実績の高いポイントなので期待は十分。
山下船長から開始の合図が出て、私がカメラの準備をしている最中に、「はい。1尾目が上がりました」とのアナウンス。続けざまにあちらこちらでキスが取り込まれる。キス釣りが苦手な釣友の塙君でさえポンポンと2尾釣り上げていた。
右舷トモでは上田さんが娘の千遥さんと親子仲よく釣りをしていたので、「お年ごろなのによく釣りに付き合ってくれますね」と尋ねると、「今では娘のほうが沖釣りに熱が入ってしまいましてね」とうれしそう。千遥さんと2ショットで写真に収まっていただいた。
左舷胴の間では船長がビギナーの矢部さんに釣り方を指南中。「チョイチョイと誘ったら食わせる間を与えるとプルップルッとくるから、最初のプルッで合わせてみて」と船長。矢部さんが教わったとおりにすると、すぐにキスをゲット。
その後もキスは順調に釣れ続き、多少苦戦はするだろうと思っていた私にとってはうれしい誤算だった。

▲良型が多いからハリ掛かりしてからの引きも楽しい

釣れるキスは18 〜22センチ。特大はいないもののピンギスも交じらない。
だが、世の中はうまくいかないもので潮止まりが近付くと渋くなり、ビギナーとベテランとの間に釣果の差が出始めた。

▲ 釣りたての魚料理に舌鼓を打ちながら仲間とワイワイするのは楽しい

アフターフィッシングにおすすめの釣りパック

荒川屋では釣った魚を宿のダイニングで料理してもらえる釣りパックがある。2人以上の事前申し込み(当日は300円増し)で、一人2500円(税込)コースは釣った魚6尾までの調理代、ライス、みそ汁、漬物、ソフトドリンク付き。一人3500円(税込)コースは前記のコースに加えてアラカルト2種とワンドリンクアルコールが加わる。

ヒットパターンを模索

活性が高いときはアオイソメの頭にハリをチョン掛けしてタラシを2センチほどにすれば手返しもいいのだが、低いときはアオイソメの頭を取り、ていねいにハリの軸まで通し、タラシは3〜4センチにするほうがいい。もちろんキスが好む誘い方もよりシビアになるので、あれこれ試してヒットパターンを見つける必要もある。
残り45分で私も釣りに参加。テンビン仕掛けを遠投し、着底して糸フケを取ったら誘いを入れて5秒待ち、ゆっくり竿を立ててサビいてくる。
プルッときたがハリ掛かりしなかったので、その場で誘いを繰り返すとプルップルッと連続して魚信。ここで竿を立てるとハリ掛かりして18センチのキスを釣り上げた。

▲当日は胴つき仕掛けで船下を狙う人が多かった

その後も投入するたびに必ずアタリはくるが、10回アタって5回ほどしかハリ掛かりしない状況が続き、18尾目を釣り上げたところで10時45分の沖揚がり。
釣果は15〜22センチのシロギスが一人8〜30尾。潮が動いた午後船のトップは40尾。持ち帰った冬のシロギスの天ぷらは脂が乗ってホクホクで絶品だった。

◀︎ 当日の仕掛け

タックルはテンビン仕掛けではキス専用竿とスピニングリールの組み合わせ。胴つき仕掛けはスピニングタックルに加えてベイトタックルもOK。その場合はキス専用竿もしくはライトゲームロッドと小型両軸リールを組み合わせる。仕掛けは、テンビン仕掛けはハリスが長い分吸い込みがよく、2本バリなら一荷釣りできる利点もある。胴つき仕掛けは一定のタナをキープできてトラブルも少ない。各自の釣りスタイルや技量で使い分けよう。

船宿infomation

東京湾奥金沢八景

荒川屋

TEL: 045-701-6672

▶︎料金=シロギス乗合半日船 一人7000円(エサ、氷付き)

▶︎備考=予約乗合、7時半出船。半日船は土日祝のみ。アジ、タチウオへも出船

※料金や集合・出船時間などは本誌隔週刊つり情報掲載時のものです。釣行の際には確認をお願いします。
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