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2025.03.28

手軽で人気の癒し系ターゲット
東京湾のエビメバルスタート

釣行レポート

生きたモエビを使ってメバルを狙うのがエビメバル。湾奥では2月1日に解禁されることから春を告げる釣り物の一つに数えられる。
そんなエビメバルだが、ここ数年は数を釣るのが難しくなり、カサゴ狙いを兼ねて出船する船宿も。
東大井にある老舗船宿「いわた」も、今期はメバル・カサゴ船として出船するとのこと。それを聞き、私も解禁初日に出かけてみた。

カサゴ優勢で幕開け

独特の釣趣があることから熱烈なファンも多いエビメバル。解禁初日の「いわた」には私を含めて20名の釣り人が集まった。出船は午前7時半。「ポイントまで1時間ほど走ります」この日、メバル・カサゴ船となったのは第13岩田丸。操船は高野光太船長が担当。曇り空ながら風の弱い東京湾を走り、やがて着いたのは本牧。「準備してください。まもなく開始します。釣り方はオモリを底ギリギリに。アタリがあったらすぐに合わせないで、魚が持っていってから竿を上げてください」高野船長からアドバイスがあり、続けて開始の合図。「水深は21メートル。根掛かりはさほどないところですが、注意してやってみてください」最初のポイントは巨大クレーンが立ち並ぶ通称・コンテナと呼ばれる荷揚げ場エリア。南西側が開けたコの字型の港湾内の岸壁近くをごくゆっくり船を流す。

▲釣り場は川崎~本牧沖、水深20~30メートル前後の護岸際や建造物周りを狙う

最初は写真撮影をしようと待ち構えると、3分もたたずに船のあちらこちらで竿が大きな弧を描いた。
取り込んだ順にシャッターを切ると、写ったのはすべて15〜20センチくらいのカサゴ。10分ほどで流し変えとなるが、次の流しでもカサゴがバタバタと取り込まれ、開始から20分ほどでトップは4尾と快調。「これだけアタリがあれば楽しんでもらえますね」この声の主は、いつもは船長として舵を握る古高亘さん。当日は仲乗りとして乗船し、もう一人、山田義也さんも助手で乗船。こちら2人のアシストでオマツリの処理はスピーディー。エビエサの付け方なども親切に教えて回ってくれたのでビギナーの人には心強かったに違いない。

次の流し変えでは港湾の最奥部のポイントへ。するとここでは歓声が上がる。左舷ミヨシ3番と右舷トモ3番がほぼ同時にメバルをゲット。型は20センチくらいだが、うれしい初物となった。
解禁初日とあって、岩田丸は港湾内を次つぎと巡る。そのたびによく釣れ、9時半の時点でトップ8尾、オデコなしとなった。

▲ 掛かったらゆっくり巻き上げる

ビギナー向けの釣り方のコツ

慣れないうちは船宿常備の仕掛けを使うのが一番。そして、モエビの付け方をマスターする。尾羽根の付け根をハサミでカットし、切り口にハリ先を刺し入れ、尾の1節くらいで背側へ抜く。
こうするとモエビがよく動くので魚に対してアピールできる。メバル狙いの基本はオモリを底に着け、いわゆるゼロテンションで待つ。アタリがなければ1メートルくらい誘い上げてゆっくり下ろす。カサゴを積極的に狙うならオモリで底を引きずらないようにしながら底の状態を探り、底ギリギリを狙う方法(根歩き)が効果的となる。
いずれの狙い方でも、アタリがあったら魚が引き込むまで待つのが基本スタイルだ。

午後から上向く

通称コンテナの各ポイントを巡った岩田丸だが、次なるは港湾部の外に出て南本牧南東側の長く続く岸壁前へ。「水深は28メートル。根のきついところなので気をつけてやってください」ここからは私も仕掛けを下ろす。席は右舷ミヨシ3番。竿は2.4メートル、オモリ20号、仕掛けは胴つき3本バリの標準的なもの。
それまでの釣れ具合から判断すればすぐに釣れるだろうと期待したが、あれれ、アタリがない。ほかの皆さんも同じらしく、10分ほどで移動。
その後、同じ岸壁前を10〜15分ほどで移動を繰り返したが全体の釣れ具合は今イチで、私がやっと釣ったのは開始から20分してから。ンゴゴゴゴと竿先が持っていかれ、上がってきたのは17センチほどのカサゴだった。

最初の1尾はうれしいものだが、その後は二度ほど根掛かりしオモリをロスト。カサゴが多いのでそれを狙おうと底ギリギリにタナを取ると、根掛かりは避けられない。「根掛かりしてもすぐにあきらめないでくださいね。竿を前後に動かしつつ、軽く上げ下げしてやると外れることもありますから」私のほかにも仕掛けを交換する姿はあちらこちらで。また、根掛かりは狭い範囲で集中するパターンが多かったので、以降、近くの席で発生した場合にはとくに注意した。「風がなく、潮も緩いときのこのポイントはよく釣れるんですが、ダメみたいですね」高野船長は再び通称コンテナのポイントに戻る。ところが釣りとは不思議なもので、朝イチにあれだけ釣れたポイントでもほとんどアタリはなく、以降は昼まで移動の繰り返し。左舷ミヨシ席で30センチほどのクロダイが上がったものの、本命は影を潜めてしまった。さてさて、この先はどんな展開が待っているのだろうか。

やがて時計の針は正午を回る。ポイント移動を繰り返した岩田丸はまたもや通称コンテナへ戻る。するとこれまた不思議なもので突如としてカサゴが釣れ出したのだ。
私の左隣は小学3年生の隼人くんとそのお父さん。この二人がそれこそ交互にカサゴを連続で釣り上げる。
うれしいことに私にもンゴゴゴゴゴと、細い竿先が引き込まれて久方ぶりでカサゴの顔を拝見。すると16〜20センチのカサゴが4投連続で釣れ、本日のハイライトとなった。

岩田丸の快進撃はまだまだ続く。13時を回ったころ朝方メバルが顔を見せてくれた港湾最奥部へ移動。すると「二度あることは三度ある」ではないが、20センチ弱のメバルが左舷胴の間、そして隼人くんのお父さんにヒット。
結局、カサゴのアタリは沖揚がりの14時半まで続き、両魚合わせての釣果はトップ31尾、スソで6尾。そうしたなかで隼人くんの10尾は立派。私も15尾をゲットできた。
当日は本牧沖の各ポイントを中心に回った岩田丸だが、今後は海上の構造物周りや小さな根なども狙っていくとのこと。この日、数が出なかったメバルも条件次第では積極的に狙ってみたいとのことだった。

◀︎ 当日の仕掛け

竿は全長2.4メートルくらいが標準。ビギナーであれば全長1.8メートル前後がおすすめ。道糸はPE1~1.5号、仕掛けは幹糸3号、枝スは1.2号、ハリはメバル9号。根のきついところが多いのでリーダーがあると安心。仕掛けとオモリの予備は多めに用意しておこう。

船宿infomation

東京湾奥東大井

いわた

TEL: 03-3741-1322

▶︎料金=メバル・カサゴ乗合 一人1万円(エサ、氷付き) 女性、子供の割引あり

▶︎備考=予約乗合、7時半出船。アジ、タチウオへも出船

※料金や集合・出船時間などは本誌隔週刊つり情報掲載時のものです。釣行の際には確認をお願いします。
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